官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)「次世代バイオデータ基盤の構築に向けたデータ連携の概念実証」による、PRISMの認知症プロジェクト、糖尿病プロジェクト、東北メディカル・メガバンク計画において提供可能なデータ項目を横断して検索することができるカタログです。
プロジェクト代表者 山本(前田)万里
プロジェクト代表機関 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
認知症の早期発見・評価技術開発、認知症予防食品の開発は、決定的なものがなく健康寿命延伸を阻止する大きな要因となっていた。そこで、500名 以上の健常者(軽度認知障害 MCI、認知症患者を含む)のバイオマーカー(血中成分、サイトカイン80項目、アミロイドβ等)、エピゲノム、腸内マイクロバイオーム、認知機能等のデータを収集・解析する。2年間の被験者データを統合し、加齢や認知機能と関連のある心身状態や生活習慣などの探索を行う。さらに、認知症患者からのデータを比較することで、認知機能との関連因子を探索する。 また、認知症患者を含む約300名の被験者の口腔内細菌叢のメタゲノム・メ タボローム・プロテオーム解析により、当該疾患に特異的に関連するマイクロバイオームの特定を行う。加えて、認知症患者を含む高齢被験者の腸内 細菌叢(糞便)を無菌マウスに定着させて作製したノトバイオート(無菌動物 に既知の生物を定住させ、そこに存在するすべての生物が分かっている動 物)あるいは AD モデルマウスを用いた認知症患者に特異的な病理(神経新生・変性、アミロイド沈着等)あるいは行動・認知異常に関わる腸内マイクロ バイオームの同定を行い、その分子メカニズムを解明する。これらを 通 じ 、軽度認知障害 / 認知症発症の早期発見と重篤度を高精度に評価する技術・製品・サービスを開発し、認知機能の維持に資する食品やケア、介入方法の官民の研究開発を加速化する。プロジェクト代表者 國澤 純
プロジェクト代表機関 医薬基盤・健康・栄養研究所
医薬基盤・健康・栄養研究所のマイクロバイオームデータベースには、健常人ならびに糖尿病など疾患患者などを対象に、食事、睡眠、運動などの生活習慣や健康診断データ、疾患・服薬履歴などのメタデータと共に、腸内細菌叢の構成や機能に関するマイクロバイオーム、代謝物(メタボローム)、免疫因子(イムノーム)など多種多様なデータを収載統合している。さらに、収載データは、独自に開発した統合解析プラットフォームMANTAを用いて可視化、解析することが可能である。 これら一連のデータやシステムを、 個別化/層別化AI栄養システム、高機能食品、ヘルスケア製品の開発につなげるプラットフォームとして多くの企業に活用していただいている。プロジェクト代表者 山本 雅之
佐々木 真理
プロジェクト代表機関 東北大学東北メディカル・メガバンク機構
岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構
東北メディカル・メガバンク計画は、宮城県及び岩手県を中心とした被災地を含む地域の住民を対象として健康調査を実施するとともに、協力者の生体試料、健康情報、医療情報等を収集して15万人規模のバイオバンクを構築し、ゲノム情報等と併せて解析することにより、東北発の個別化医療等の基盤を形成し、創薬等の新たな産業の創出を目指しています。第1段階(平成23~28年度の6年度)、第2段階(平成29~令和2年度の4年度)を経て、令和3年度より第3段階を開始しました。第3段階においても、引き続き、東日本大震災の被災地を中心に15万人規模の健康調査を行いその結果を回付します。また、15万人規模のゲノム情報を含む前向き住民コホートを形成し、そこから得られた試料・情報によりバイオバンクを構築、ゲノム医療に役立つ研究基盤を提供します。